CATEGORY
学校図書館ユーザーの集い(ブレインテック ユーザー会2020)
- イベントレポート
毎年夏に、情報館を利用されている学校図書館を会場に開催してきた「学校図書館ユーザーの集い」ですが、今年はコロナウイルス感染症拡大防止の観点から、オンライン開催という形式で実施しました。
開催概要
イベント名 | 学校図書館ユーザーの集い(ブレインテック ユーザー会2020) |
日時 | 2020年8月18日(火)15:00~16:30 (終了後、希望者のみで引き続き18:00前まで延長交流タイム) |
開催方法 | Web会議ツール(Zoom)を使用したオンライン開催 |
参加者 | 23名 |
テーマ | コロナ禍における学校図書館サービスとシステムの活用 |
例年の学校図書館ユーザーの集いは、会場となる学校図書館の見学も含めて3時間くらいかけて実施するイベントでしたが、今回はオンライン開催という特性を考慮し、1.5時間の本編と、希望者による延長交流タイムという形をとることにしました。
いつもは東京近郊の学校図書館を会場に開催しているため、参加者も近隣地域の方が多いのですが、今回は大阪、京都、広島、岡山、福岡など全国から、さらには海外の日本人学校からも参加があり、実に参加者の約半分が首都圏以外からの参加でした。
話題提供
まず、参加者の中から事前にお願いしていた7校の方に「話題提供」として10分程度で図書館の現状と課題などについてお話しいただきました。
4月の一斉休校から現在までの学校の様子、図書館の状況、さらにはコロナ禍で感染予防対策として実施していることや、新しく始めた(始めようとしている)取り組みなどについてもご紹介いただき、1校10分という短い時間でしたが、非常に内容の濃い発表ばかりで、多くの興味深い取り組みを伺うことができました。
多くの学校で共通していたのは、オンライン授業を実施するためにICT環境整備が一層進み、図書館にも少なからず影響があったこと、OPACの導入や活用(外部公開やオンライン予約受付等)が進んでいたこと、新聞データベースやオンライン百科事典を増やし、電子図書館サービス等を導入(または導入の検討)されていたことなどです。郵送貸出サービスを始めたという報告も複数ありました。当社でも、6月から「図書館遠隔サービス支援~OPAC徹底活用~」と題した緊急キャンペーンを実施し、OPAC相談会の開催や導入費の無料化などを行ってきましたが、その成果の一部を拝見できたような気がして、その場にいた社員一同とても嬉しく感じました。
このように、全体に共通した変化があった一方で、ある学校は開校してやっと1年を迎えたばかりだったり、ある学校は校舎建て替えのため図書館も仮設校舎への移転の真っ最中だったり、司書教諭の方が、より緊急性の高い校務に追われ図書館の業務をなかなか行えない状況にあったりと、各校それぞれの事情がある中で、戸惑いやジレンマを抱えながら試行錯誤しそれに向き合ってこられた半年だったのだということも、皆さんのお話を聞くなかで再認識させられました。
ある参加者の方が「自分自身が、正解の無いことに決断を下し続けなければいけない状況に追い込まれたことにより、生徒たちもこれから大人になって先の見えない時代の中で同じように決断をしていくことになるのだから、と強く感じ、このコロナの時期に学校図書館の必要性を再認識した」と話されていたのが印象的でした。
意見交換と延長交流タイム
話題提供で7校のお話を聞き終わった後、本編終了まであまり時間が残っていなかったため、話題提供の中で言及された内容への質疑をいくつか受け、そのまま本編終了となってしまいました。参加者の皆さんはおそらく「今から色々聞きたい、話したい」という状況だったかもしれません。少し欲張りすぎた構成になってしまいました。
本編終了後、短い休憩を挟んでスタートした「延長交流タイム」には、途中退出された方も含め、半数ほどの方が参加されました。
ここでは、本編の続きで話題提供者への質問などが色々と出たのに加え、オンラインであっても、こうして顔を合わせて話ができる場は重要であること、年に1回ではなくもっと頻繁にできたらいいのではといったご意見や、ユーザー同士で質問したり回答したりできるような掲示板などユーザー同士の交流の仕組みがあったら良いのではというご提案もいただきました。
意見交換の中で、コロナ禍で、オンライン授業システムなどを通して図書館のスタッフと利用者のコミュニケーション方法も変化しているというお話がありましたが、私たちブレインテックとユーザーの皆様とのコミュニケーションの形も、今回のようなオンラインユーザー会やセミナー・相談会などが加わり、変わりつつあります。
状況が許せば、来年こそはリアルの会場でユーザー会を開催したいと考えていますが、オンラインでの開催は、地理的な条件に縛られないという大きなメリットもあるため、今後も何らかの形で継続していきたいと思います。皆様からもご意見ご要望お待ちしています。
(広報担当 関)