mediaブレインテック通信

第2回ユーザー事例研究会@東京海上日動 図書史料室

2019.09.30
  • イベントレポート

ユーザー事例研究会は、全国各地の弊社製品・サービスをご利用の図書館を会場として開催するイベントで、図書館を見学したり、参加者同士での意見交換を行ったりするものです。

開催概要

イベント名:第2回ユーザー事例研究会
テーマ:利用者の役に立つ資料・情報をPick Up!~「アーカイブズ」「ブックリスト」「雑誌記事」を活用する
日時:2019年7月24日(水) 13:30 ~ 16:30
会場:東京海上日動 図書史料室(情報館導入:1999年)
(東京海上日動三番町ビル:東京都千代田区三番町6-4 ラ・メール三番町)
参加館:11館12名

図書史料室とそのサービスのご紹介

最初に、図書史料室の櫻井様より図書史料室とそのサービスについて、特に以下の3点にフォーカスしてご説明いただきました。

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アーカイブズについて
利用者の「業務に役立つ」資料(コレクション)として、「情報館」へのデータ登録を開始した2005年から社内でデジタルアーカイブズを公開した2018年までの取り組みをご紹介いただき、限られた予算・人員・設備をやりくりしながらこうした取り組みを積極的に進められてきたことに、参加者からも驚きの声があがりました。

アーカイブズとして資料を整理し社内に活用可能な形にするだけでなく、そうした資料を求める社内からのリクエストにきちんと応じる「照会対応」の積み重ねにより、現在では、このデジタルアーカイブズで提供される情報が、会社のWebサイトや社員向け研修教材などで広く活用されているそうです。

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<参考>東京海上日動の歴史|東京海上日動火災保険
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/rashisa/story/history

ブックリストの活用と雑誌記事の一覧表示
3年前に丸の内の本店ビルから現在の場所に移転した際に「図書史料室と利用者を繋ぐ重要なツール」として導入されたOPAC4(OPACサービス)は、遠隔地利用者が増えた現在の図書史料室にとって、重要な存在になっています。

今回はその中でも重要なツールとして利用されている「ブックリスト」機能の活用事例をご紹介いただきました。また、OPACの利用状況から着想を得て今年度課題として取り組まれている「雑誌記事の一覧表示」および複合的ブックリスト「Pick Up!」による情報提供の事例もご紹介いただきました。

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図書史料室の見学

続いて、社内便を利用した貸出のフロー、書架配置の特徴、室内に設置のアーカイブズなどについて図書史料室の礒田様にご説明をいただきながら見学しました。

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現在、図書史料室での資料貸出の大部分は、OPACで予約申込された資料を社内便で送付するという方法で行われています。2016年に図書史料室が現在の場所に移転する際、利用者の多くが直接来室しにくい場所になってしまうことから、遠隔対応を前提としたサービス提供への切替を検討し、Webサイト等による情報提供、メールによる照会対応、そしてこの社内便を使った貸出を標準としました。専用のライブラリーバッグもデザインから考えて作られたそうです。

予約申込に応じて貸出処理を終えた本と貸出レシートをこのライブラリーバッグに入れて社内便で発送し、返却の際もこのバッグで図書史料室に戻ってきます。ブラウン地にブルーのファスナーという配色が目を引くこのライブラリーバッグは、見た目はシンプルながら、中に入れた本の量に応じて固定できるベルトなども付いていて機能性の高いものでした。

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書架の配置は、保険に関するものが最も利用しやすい手前に配置されていますが、それ以外の書架の並び順も、NDC(日本十進分類)の0から順に並んでいるわけではなく、利用者の興味関心の高いものは利用しやすい位置に、その近くに関連する分野を置く、といったように、利用者の心理や動線まで考えて工夫されていました。

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図書史料室の一角には、実際に見て手に取ることができるアーカイブズのコーナーがあります。

書架の横に置かれた机は、損害保険業界の父と言われる各務鎌吉氏が実際に使っていたもので、机の上だけでなく引き出しの中にも資料がしまってあります。ここを訪れた人は、ひとつひとつ引き出しを開けてそこに入っているものを手に取って楽しめるという心憎い演出です。書架に並ぶ資料だけでなく、こうした「モノ」が一緒に置いてあることで、図書史料室全体の印象もだいぶ違ったものになっているように感じられました。

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意見交換

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最後の意見交換では、図書史料室の移転に関すること、資料のデジタル化、情報館へのデータ入力の方法など、様々な話題について活発な質疑、意見交換が行われました。

「自分のところも同じような規模の企業なので参考になった」、「ちょうど図書室が移転したばかりなので参考になる話が多かった」という企業図書館の方からの感想や、「館種が違うため組織の在り方は異なるが、違うからこそ学ぶところが多かった」という別の館種の図書館のご担当者意見もありました。

さいごに

第2回のユーザー事例研究会は企業図書館での開催でした。次回のユーザー事例研究会の開催場所、時期は未定ですが、決まり次第Webサイト、News Letter等でお知らせいたします。また、「うちの図書館で開催を」というお申し出はいつでも大歓迎です。

(広報担当 関)

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